気遣いができると言われてきた姉と、そうでなかった私
こんにちは。
待宵スークです。
私には2歳上の姉がいます。
結婚はしていません。人に縛られるのが嫌だそうなので、これからもたぶんしないでしょう。
私も姉も実家を出ているので会う機会は少ないですが、仲良しです。
姉と比べると、私の方が成績も運動神経も優れていました。
中学生の頃の私なんて、自慢ですけど定期テストでずーっと学年1位、生徒会長。
女子運動部の花形(異論は認めます)・バスケットボール部。
内申点?そんなんオール5ですわ。
進学した高校も、姉は中の上くらい、私は県内トップクラス。
姉も出来ない子ちゃんじゃありませんでしたが、周りには妹の方が優秀だと思われていたでしょうね。
でも私たち姉妹、互いに抱くコンプレックスは、たぶん私の方が強いと思います。
いや、姉がどんなコンプレックスを抱いているか知らないんですけどね。
仮に何かしらコンプレックスを抱いていたとしても、それを私に感じさせない時点で私が負けている。気がする。
もしかしたら、成績も運動神経も良い妹を見て劣等感を持っていたかもしれません。
だけど、私からしてみれば、私は成績と運動神経が良い「だけ」。
他には何も取り柄がなかったのです。
姉はとても穏やかな性格で、人当たりが良く、友達も多い方です。
女性の皆さん、小学校高学年~高校生くらいのクラスを思い出してみてください。
女子たちが「ギャルっぽい」「普通」「地味」に分かれている中で、どのタイプの子とも仲良くできるというか、嫌われない子っていませんでしたか?
姉はそれに近い感じです。
本人は「そんなコミュ力高くないよw」と言うかもしれませんが、すごくバランスの良い人格なんですよね。
私はコミュ力が低いので人と打ち解けるのも本当に苦手...
それに、もとは勉強もスポーツも私の方ができるけど、粘り強い努力家なのは姉の方。
私は追い詰められないとやれないので、姉のようにコツコツ頑張れません。
姉は小さい頃から絵がとても上手で、高校卒業後、専門学校を経て広告デザイナーになりました。
仕事にできる才能を持っていたことも、ずっと夢に向かって努力を続けてきたことも、私にはとても羨ましくて。
勉強とスポーツが両方できるなんてめっちゃ恵まれてるやん!!と思う方もいらっしゃると思います。
ですよね。私もそう思います。
そう思いますよ。
でも、私は姉のことがずっとずっと羨ましかった。羨ましい。今も。
社会人になったら学生時代の成績も運動神経も大した価値ないですしね。
何より、成績と運動神経が良いにも関わらず、私が昔からコンプレックスを抱いていた原因は、
母に「スークは妹らしくてワガママ、姉は周りの人のことを考えて気を遣う子」として扱われていたから。
私は小さい頃から怒りっぽくて、思い通りにならないとすぐ不機嫌になる子でした。
一方で、姉は家族にすら気を遣う。私のワガママにもずいぶん振り回されたでしょう。
姉妹なんてだいたいそんなものだよ、と言われるかもしれません。
母も、あくまでも姉の気遣いを褒めたり労ったりしているのであって、妹の私をけなしているつもりはなかったと思います。
でも「私は姉と違って気を遣えない子なんだ」
ずっとそう感じながら育ったのです。
私だって、ある程度大きくなってからは自分のワガママを反省していたし、私なりに家族に気を遣っていました。
それでも「スークはワガママ、姉は気遣いができる」という評価は今も変わっていないと思います。
姉が気を遣う人というのは私も全力で同意だけど、私も実はわりと気を遣ってるのに...
おかーさん、気付いて...
もうただのワガママ娘じゃないよぅ...
そんな私が、新型コロナウイルス感染拡大の影響で某国に帰れなくなり、1月末からしばらく実家で生活することになりました。
社会人になってからは年に2回程度しか帰省していなかったのに、この歳になって親と一緒に暮らすなんて。
母60代・父70代ですが、2人ともまだ働いています。
ある朝のこと。
両親は毎朝プチトマトを食べる習慣があります。
私はふと、父のプチトマトが用意されたお皿を見ました。
これです。
何か気付きますか?
大したことじゃないと言えば、大したことじゃないけど・・・
そう、プチトマトが半分に切られています。
誰が切っているのか。
母です。
プチトマトですよ。
人々に一口で食べてもらうべく生まれてきた(?)プチトマト。
それをわざわざ半分に切っているのです。
私は母に聞きました。
「お父さんのトマト、何で半分に切ってるの?」
母が答えます。
「口に入れたときにプシュッて飛ばしちゃうからだって」
それを聞いた私
「プチトマトなのにわざわざ切るの?毎朝?
お母さんも仕事あるから朝は忙しいのに、わざわざプチトマトを切るためだけに包丁を使って、洗わなきゃいけないの?」
実家の平日の朝食はパンと牛乳が基本なので、本当なら包丁は不要なんです。
毎日のことだからもう慣れたよ、と言う母。
スークに叱られた~(泣)と子どものようにいじける父。
それから数日後。
母が私にこう言ってきたのです。
「姉子からLINEが来たからプチトマトの話をしてみたら、『スーク、そんなので怒らなくてもいいじゃん。お父さんかわいそう』だって(笑)
やっぱり主婦やってるスークの方が分かるよね、こういうのは。
姉子は一人暮らしだから、普段の生活で自分のことしかしてないから何とも感じないんだろうね」
スークの方が分かるよね
スークの方が分かるよね
スークの方が分かるよね
スークの方が分か(以下同文)
お、お、お、おかーさん、今 何て...?
姉より私の方が分かってる...??
いつも人のことを考えて気を遣う姉よりも、ワガママとされてきた妹の方が母の気持ちを分かってると...
そう言ってくれたんですかい...??
これ、嬉しさ伝わります?
(°Д°)
(°Д°)
(*°▽°*)パァァァ...!!
こんな感じだったんですけども。
別に母を悪く思ってるわけではないんです。全然。
むしろ、愛情を注いで育ててくれたことに大変感謝しています。
子どもの意思をできる限り尊重しようとしてくれる、良い母です。
自慢の母です。
ただ「姉は気を遣う子、スークはワガママ」として扱われていたことには少しだけ傷付いていたんです。
いや、「姉子は気を遣える子なのに、スークはワガママね!」とかは言われてないですよ。
“姉は”気を遣える子、“姉は”気を遣える子、と言われ(聞かされ)続けていたというのが正しいかしら。
いやいや、もしかしたらそんなに何度も言われて(聞かされて)ないかも...
5回くらい...??
でも、たった5回だったかもしれないけど、少しだけ傷付いていたのは確かなのです。
母は姉を褒めていただけ。
そして私がワガママだったのも間違いない。
分かっていても、ちょっと寂しかったんでしょうね。
私、もう31歳なんですが。
「スークの方が分かるよね」と言われて、何だか母に初めて認められたかのような気分になりました。
いやいやいや、今までも十分私のことを認めてくれていたとは思います。
でも、私もちゃんと母の気持ちや苦労を考えてるよ、ということを分かってもらえたというか。
なんだか嬉しかったんです。
たかがプチトマトを切るか切らないかの話なんですけどね(笑)
母もまさか、某国の自宅に帰れないのをいいことにぐうたら生活を送っている次女が、こんなことをブログに書いているなんて思うまい。ふははは。
ということで、実家暮らし4か月半の中で感動したささやかな出来事でした。
おしまい♪