「面白い女性」ってすごく難しい ~『女芸人No.1決定戦THE W』を見て思ったこと~
こんにちは。待宵スークです。
私にしては珍しく、意見を述べる記事です。どきどき。
読んでくださった方々に怒られないように、いくつか前置きをさせてください。どきどき。
・お笑い芸人について書きますが、私は特別お笑い好きなわけでも詳しいわけでもありません。
ただ、実際お笑い好きだけがお笑い芸人を見ているわけではないので、一般人の意見として読んでいただければと思います。
・「一般人の意見として」なんて言いましたが、私の意見が一般人を代表していると思っているわけではありません。
むしろ私の好みや主観がめちゃくちゃ入りまくっていますので、ご了承ください。
・「男性は~」「女性は~」という論調になりますが、こうあるべきだと主張したいのではなく、「こういうふうな印象になりやすい」という社会一般の傾向について述べているつもりです。
もし不適切な表現がありましたら申し訳ありません。
・男芸人の方が笑いを取るのは簡単だと言いたいのではありません。
はい、長々と失礼いたしました。
まいりましょう。
昨日(12月14日)日本テレビで放送された『女芸人No.1決定戦THE W』を見たのです。
↑↑これ。
たぶん8組くらい見たと思いますが、ほぼ面白くなくて途中でチャンネルを変えました。
「面白くない」というのは間違いなく私の主観。私の好みの問題です。
面白いと感じた人を否定するつもりはありませんし、出場していた芸人さんたちが売れるとか売れないとかは分かりません。
ただ、私が思ったのは
自分の外見(デブ、ブスなど)・変顔・強烈なキャラ・大声などに頼って笑いを取ろうとしている芸人さんが多い
ということ。
昨夜の『THE W』に出ていた方々に限らず、駆け出しや売れ始めの女芸人さんってそういうネタになりがち。インパクトを与えられますからね。
男芸人さんでも多いといえば多いけど、女芸人さんの方がその傾向が強い気がします。
お笑いに詳しくないと前置きしたくせに偉そうなことを言ってすみません。
でも、何でこの記事を書こうと思ったのかというと
塾講師時代に「女性が笑いを取ることの難しさ」を痛感したから
です。
私は新卒から4年間正社員で、その後2年間アルバイトで、計6年間塾講師を経験しました。どちらも小中学生の集団授業。
若手時代に学んだのは、どんなに授業の内容が濃くても、どんなに熱く語りかけても、それだけでは生徒は満足しないということ。
生徒が喜ぶ授業には「笑い」が必要不可欠。絶対に。
(定期テスト前・入試直前特訓授業など生徒のモチベーションが高い時は除く)
そのことに気付いてからは、「私の仕事はお笑い芸人ではなく先生のはずだが?」と思うくらい、授業のどこで笑いを取るか毎日めちゃくちゃ真剣に考えました。
私の専門だった社会科は、特に笑いが必要で。
数学や理科、英語は授業の途中に問題演習を織り込めるので、メリハリをつけたり、生徒を褒める場面を比較的つくりやすいんですよね。
一方、社会科や国語は講師が喋る時間が大半を占めるため、生徒とのコミュニケーションや、笑いが起きる場面を意識的につくる必要があります。
(数理英の授業の方が簡単だという意味じゃないよ!理論の説明や問題解説が下手くそだと教室の空気が凍りつくよ!気を付けてね!)
「学ぶ」は「真似ぶ」、何でも真似をするところから始まる、というのは私が勤めていた塾の会社でもよく言われていまして。
私は、毎回授業がめちゃくちゃ盛り上がる社会科の男性先輩講師の授業を真似しようとしました。
でも、いざ生徒の前でやるとなると、男性はOKでも女性は無理かなという言動が結構あるのです。
(※塾業界は男性が圧倒的に多く、先輩や上司もほとんど男性。自分と同じ教科専門のベテラン女性講師はかなり少なくなる)
具体的に挙げるのが難しいですが…例えば「うんこ」という言葉。
男性講師でもむやみに多用するのは当然ダメだし、男性講師ならばうんこ発言OKとは言わないけど、女性よりは男性の方がうんこ発言のハードルが低いというのは分かっていただけると思います。
実際Twitter見てると男性って何歳になってもうんことかおっぱいとか言っておけば面白いみたいな人多いですよね。笑
女性でもいるけど、そういう人はたいてい男性フォロワーとの絡みが多い(待宵調べ)。
話が逸れました。
女性は男性と比べて、不快な印象を与えずに笑いを取るのが難しいのです。
不快な印象とは、下品、イタイ、頭おかしい、などなど。
冒頭で「自分の外見(デブ、ブスなど)・変顔・強烈なキャラ・大声などに頼って笑いを取ろうとしている芸人さんが多い」と書きました。
女性がそういう要素で笑いを取ろうとすると、下品、イタイ、頭おかしいという印象になりやすい。
あくまでも「男性と比べて、女性の方がよりいっそう」という意味ですよ。
例えば男性が「うんこ」と言った場合、上品とは思われないにしても、女性ほど大きく下品なイメージには傾かないのではないか、ということです。
外見ネタにしてもそう。
男性もイケメンだのブサメンだのと外見での評価を受けますが、女性は男性以上に若さや美しさを重視されやすい傾向があります。
そのため、女性が外見ネタをやると男性以上に痛々しくて自虐的、「女を捨てている」ように見えるのではないでしょうか。そもそも「男を捨てる」という表現自体があまりないですよね。
女性は、男性と同じような方法で笑いは取れない。
取れないことはないけど、男性以上に「好みが分かれる」ネタになってしまいやすい。同じことをやっても女性の方がドン引きされやすい。
お笑い業界が男性優勢社会だから、「女だってやったるでー!」「女だって面白いことできるんやでー!」みたいな心意気でインパクト勝負にいってしまうんですかね。
女性は女性らしいまま面白くなれないのか?
女を捨てなければ面白くなれないのか?
私が言いたいのは、女性らしさの押し付けではありません。
実際、男性と同じネタで同じように笑いを取るのは難しいと思います。
「男性ならOKだけど、女性がやるのはちょっと引く…」というのは現実問題として存在しているから。
ご本人が良ければ女を捨てたって構わないけど、女芸人として売れたいなら、もっと大衆受けする方法があるのではないか。
ではどうしたらいい?
私は女芸人こそ話の内容やテンポで笑いを取る方向を目指すべきだと思います。
いや、こんなの男芸人にも言えることなのは分かってます。
でも「インパクト狙いでいった場合、女性の方が男性よりも不快な印象になりやすい」「男性と同じことをやっても女性は笑いが取りにくい」、なのに「女芸人の方がインパクト狙いに走りやすい」と感じるからです。
例えば、最近の売れっ子芸人さんでいえばミルクボーイとか。
「ほなコーンフレークと違うか~」のシリーズ、自分の外見・変顔・強烈なキャラ・大声、どれも使ってないですよね。
話の内容とテンポで笑わせる。
ミルクボーイレベルのネタをつくれたら苦労せんわ!って怒られそうですが。
でも話の内容では笑いが取れないからインパクト狙いでやってるとしたら、そもそも売れるのは無理でしょう。
ちなみに、女塾講師だった私はどうやって笑いを取っていたのか?
よく使っていた方法は一人芝居です。
淡々と説明せずに、誰かのセリフとして演じる。
一人芝居中も極端な変顔・変なキャラはやりません。
あとは先輩講師の畳み掛けるようなトークを完コピ。
売れている女芸人さんは、なりきりネタやモノマネをする方がわりと多くないですか。
ショップ店員の真似、○○な女の真似など、誰かを演じる系。
女塾講師の私が辿り着いた発想は間違ってなかったと思います(ドヤァ)。
はい。お笑い好きではない私が真面目にお笑いを語ってみました。
お笑いに詳しい方が読んだらツッコミどころ満載かも。
でも前置きで書いた通り、お笑い芸人を見てるのはお笑い好きだけじゃない。
むしろ“売れる”というのは「通」以外の人たちの心を掴むこと。ですよね?
女芸人さん、もしこの記事を読んでくれていたら(読んでねーよ)ぜひぜひ今後はインパクトより話術で勝負してほしい!
私の好みもあるけど、個性的=パッと見の派手さや強烈なインパクトだけじゃないと思うんだ!
応援してるから、頑張って!!(何様や)
そういえば、お笑い好きな方々は『THE W』面白かったんですかね。
今さら気になってきました。
そんで、書いてたらまた塾講師やりたくなってきたなぁ。
テンションの低~いクラスでめげずにネタを繰り出すのは本当に心が折れそうになるけど、授業が盛り上がったときはめちゃくちゃ楽しいし、生徒に「分かりやすい」「面白い」って言ってもらえた時はすっごく嬉しいんですよね。
何やかんや必死で積み上げてきたノウハウを今後一切使わないのはもったいないよねぇ。センスが無いなりに研究熱心だったからねぇ。
ま、やらないけど。
ということで、お読みくださってありがとうございました。
待宵スークでした。