家族や友達には話しにくいけど、でも誰かに聞いてほしいこと

家族や友達には話しにくいけど、でも誰かに話したいこと

日々いろんなことを考え、悩むけれど、家族や友達には話しにくい。でも誰かに話したい。そんな話をつらつら綴ります。アラサー、子無し主婦、海外在住、駐在妻。

『大聖堂』を読んで ~ウォルターについて語りたい~

お久しぶりです。待宵です。

 

私にしては非常に珍しく、小説を読みまして。

文章を書くのは好きなのに読むのはサッパリで、本を1年に1冊も読んでいないくらい。

そんな私が、上中下の3巻に渡り、しかもそれぞれまあまあの厚みがある本を一気読みしました。

 

ついさっき、下巻を読み終えたところです。
15分前くらいに。

 

最近ブログを書いていなかったのは他に時間をかけたいものがあったからで、もちろん今日もそれに時間をかけたいのだけど、壮大な物語を読み終えた勢いのままブログを書きたい気持ちが勝ったので、書こうと思います。

 

ネタバレありです。

書評や作品紹介といえるような整ったものにはならないでしょう。

全ては勢いでございますから。

 

作品を読み返したりすることなく記憶を頼りに書きますので、細かいところ間違っていたらすみません。

 

 

Twitterのタイムラインでその作品を知り、たまたま今の私の興味と合致していたので買いました。

『大聖堂』という作品です。
(著:ケン・フォレット/訳:矢野浩三郎)

f:id:matsuyoisouk:20210702061634j:plain


 紹介文にはこのように書いてあります。

 

12世紀のイングランドを舞台に、

大聖堂の建立をめぐり

幾多の人々が華麗に織りなす

愛と憎しみの壮大な物語

 

全体で50年間くらい、メインのストーリーが動き出したところから数えても35年間くらいあります。

 

群像劇っていうんですかね?

全く別々のところにいる人物に視点が切り替わり、並行して進んでいた物語が次第に交わっていく形式。主人公と呼べるような登場人物が複数いるような。

今までそういう小説を読んだことがなかったので、「おおお!ここで出会うのか!!」と感激しながら読みました。

まさに“幾多の人々が華麗に織りなす”物語。

 

 

いやー面白かったです。

 上巻はまだそこまで“愛と憎しみ”感は強くなかったのですが、中巻からは一気に加速。

普段読むのは漫画ばかりの私、小説を読みながらこんなにハラハラしたことあったかな。

 

大聖堂をはじめとする建物や、町や村の様子、人々の暮らしなどが非常に細かく描写されていたのも印象的でした。

目に浮かぶよう、とはまさにこのこと。
(といいつつ、大聖堂の描写は細かすぎてほとんど読み飛ばしてしまいましたが)

 

 

 

ここから先は具体的なネタバレが入りますので、『大聖堂』読んでみようかなという方は読み終わってからまたお越しくださいませ。読み終わったら来てね。ね。

 

 

 

 

この物語の非常に重要な人物で、私にとって最も衝撃的だったのがウィリアム・ハムレイ
南イングランドの有力な貴族の息子です。

 

まぁ誰から見ても衝撃的かもしれないけど

 

こんな極悪非道な人間がいるのかと。

物語の中でも人々から「悪魔の化身」といわれ、利害が一致する者と家族以外、ほとんどの人に嫌われています。

利害が一致する者でも彼の人柄を好いている人は誰もいないでしょう。

 

上巻ではまだ良かったんですよ。全然良くはないけど。

悪行よりも、ドS変態貴族という印象の方が強かったので。
※この記事を読んでいるか分かりませんが、某変態平安貴族様を意識して書いているわけではありません。ウィリアムはガチ。

なるほど、真正の変態とはこういうものか。彼を知ってしまったら、そのへんによく転がってる自称変態など全く怖くないなと思いました。

 

 

中巻・下巻はいよいよ本格的に鬼畜の所業が炸裂します。 

例えば、自分にとって邪魔な者の勢力を削ぐために、町に火を放って罪無き民を100人以上焼き殺したりとか。

 

 

私には理解不能な域でした。

富や権力を手にするためとはいえ、他者から見下されるのを極端に恐れる性質のためとはいえ、どうしてここまでできるのか。

私が物語を執筆したとしても、ウィリアムのような人物は書けません。私の頭からは出てこない。

 

 

そして、ウィリアム以上に理解不能だったのが、ウィリアムの従者であるウォルターです。

理解不能すぎて興味をそそられ、それでこの記事を書くに至りました。

 

ウォルターはウィリアムが12歳のときに武術教育係になり、剣術や乗馬などを教え、後に彼の従者に。

主君と家来の関係ですが、ウィリアムの最も親密な友として描かれています。

 

 

ウィリアムが最初に登場したときは20歳くらい。

ウォルターは9歳か10歳上とされているので、30歳くらい。

どこへ行くにもウィリアムに付き従い、ウィリアムの指示通りに行動し、ウィリアムの危機を何度も救います。

ウィリアムが50歳を過ぎても、変わらず傍らで主人を守り続けていました。

 

 

 

なんで?(チコちゃん風)

 

 

 

ウォルターは、この血も涙も無い、頭の切れるわけでもない主人になぜ長年従い続けているのか??

いや、血と涙は一応あって、ウィリアムも人の子なのだなと感じる場面はあるけど...

 

 

若いときのウィリアムは、容姿はまあまあ良かったようです。体格も。
でもそんなのは当然ながら関係ないでしょう。

戦闘も一応強いけど、それに関してはウォルターの方が強いことが何度も描写されています。貴族の武術教育係になるくらいですし。

 

クソという言葉では足りないくらいの人間性、器の小ささ、臆病さ。

己の欲望のためなら誰でも何でも犠牲にし、地獄に落ちることを恐れはしても(キリスト教徒なので。でもお仲間の司教に許しを与えてもらえばOK)、心を痛めることなど一切ない。

 

何が良くてウィリアムに仕え続けるのか。

理解不能すぎる。

 

先ほど述べた町の焼き討ちの際にももちろんウォルターは一緒にいますし、その他にもウィリアムの殺人や強姦の現場にはほぼ必ずウォルターもいます。

 

とはいえ、必ずしも自分の好きな主君に仕えるとは限らない。

むしろ自分の家や立場を守るためだったり、金のためだったりがほとんどで、主君に対して真に忠誠を誓っている場合の方が少ないのかもしれません。

どのような生まれなのかとか、どのような経緯でウィリアムの武術教育係になったのかとかは説明されていないけど、ウォルターも自身の生活のために仕えているだけなのかも…

 

と少し考えたのですが、下巻でははっきりと「ウォルターはウィリアムを尊敬している」という一文が。

 

 

 

ど  の  へ  ん  を ?

 

 

 

確かに、いざ戦闘になれば勇敢だし、やると決めたことに対する行動力はあるけど...

 

いやぁ、さっぱり分からない。
ウィリアムと同様にウォルターも極悪非道な悪魔の化身だということなのか?

 

 

しかし、彼の理解不能なところが私にとっては何ともいえない魅力でした。

 

冷静沈着で、ウィリアムよりも分別がある。
ウィリアムはすぐ焦ったり怒鳴ったりするけど、ウォルターが落ち着きを失って動揺したりすることは一度もなかった。 

剣を振るえば一撃で敵を倒すことができ、戦場でウィリアムが負傷したときもサッと現れて窮地から救い出す。 

主人を常日頃からよく観察して、扱い方を心得ている。
ウィリアムの機嫌が良いときも悪いときも、気分を害さないように接することができる。

 

 

めちゃくちゃ有能な従者じゃないですか?
(それに、顔立ちについては分からないけど、かっこよくない?)
ウィリアムにこだわる必要がどこにある?

 特にその強さ。
当時は内戦中だったんだから、誰のもとに行ったって雇ってもらえたはず。

それなのに、ウィリアムが歳を取って富や権力を失ってもなお、傍を離れない。

 

 

下巻を読み進めるにつれ、私はウォルターの最期が気になって仕方ありませんでした。

35年以上に渡る物語なので、途中のあれこれで名前のある人物が結構死ぬのです。読みながらハラハラしたのもそのせい。

 

ウォルターは死ぬのだろうか。

死ぬとしたらどこでどのように?

戦闘で? ウィリアムをかばうとか?

それとも、ウィリアムより10歳年上だから、老いて死ぬのか。

思いがけず事故や病気で突然の別れになったりする?

 

 

物語を進める主要な人物ではないとはいえ、腹の底で何を考えているのかよく分からなくてつかみどころがなく、それゆえに興味を引かれてたまらなかったウォルター。

 

下巻の最後、ウィリアムは再起をかけた企てに失敗し、処刑されることになります。 

しかし、

 

 

 

その企てを実行する場にも、処刑の場にも、ウォルターの描写はありませんでした。

少し前の場面には登場しているので、生きていたならウィリアムが捕らえられる日まで従者であり続けたと思われます。

企てはリスクの大きいものでしたが、今までもさんざん主人とともに危険を冒してきたので、ここにきて逃げ出すとは考えられない。

 

ウィリアムの死後、60代半ばのウォルターはどうしたのでしょう。

ウィリアムには妻も子もなかったので、仕える相手はもう誰もいない。
(一応妻はいたが、ウィリアムが非道すぎたため裏切られた)

 晩年のウィリアムはそこまで裕福ではなかったので、ウォルターもそんなに金はなかったはず。

 

どこに行ったのかなぁ。

 

悪行の限りを尽くし、ついに処刑される主人をどう思ったのかなぁ。

 

別れ際にはどんな言葉をかけたのかなぁ。

 

 

「地獄でまた会いましょう」

 

 

こんな感じかな。
(いや、ウィリアムは地獄を異常に怖がっていたから、そんな言葉はかけられないか)

 

 

 

本当に勢いだけで書いてしまったけど、『大聖堂』とにかく面白かったです。

まとまりのない記事でごめんなさい。

 

すでに読んだことのある方々には「あえて取り上げるのウォルターかよ!」と言われそうですけどね。

他にも魅力的な人、悪い人、強い人、弱い人、たくさん出てきますからね。

 

ウィリアムの最期を明かしてしまいましたが、私は途中からウィリアムは間違いなく死ぬだろうと思いながら読み進めていましたので、知っていても十分すぎるくらい楽しめると思います。

 

ぜひぜひ、読んでみてください。

 

 待宵スークでした。