長年使っていたタオルを落とした時のこと
こんにちは。待宵スークです。
私のブログを開いてくださって、ありがとうございます。
今回は、先日起きた少し不思議な出来事について。
私が間抜けだっただけのような気もするのですが(笑)、何となく意味のある出来事に思えたので。
それは、アルバイトに行く途中の出来事でした。
その日は体調不良による急な欠勤が出てしまい、社員さんから「できたら1~2時間早く来てほしい」と連絡が来ました。
アルバイトの前に何も用事がない日だったので、すぐに準備して家を出発。
本来の出勤時間より、ちょうど2時間早く着くくらいの時刻でした。
アルバイト先の最寄り駅に到着。いつも通り、降りたホームの自動販売機でペットボトルの水を買いました。
改札を抜け、エスカレーターを上り、駅から出て…
買ったばかりの冷たいペットボトルに付く水滴を拭こうと、リュックからタオルを取り出そうとしました。
「あれ?………あれ?タオルがない」
私のリュックは背中の面の端にファスナーが付いており、背負ったままでも中の物が取り出せるようになっています。
そのファスナーのところから中に手を入れ、歩道を歩きつつしばらく探ってみましたが、やはりタオルが入っていないのです。
家を出てから一度取り出したので、持ってくるのを忘れたわけではありません。
ペットボトルの水を買うためにファスナーのところから財布を引っ張り出したときに、タオルも一緒に出てきてしまって落としたんだーーー
以前、買い物中にも財布を出そうとしてタオルを落としたことがありました。
そのときはたまたま気付いたのですが、タオルは落としても音がしませんし、今日は少し急いでいたので気付かなかったのです。
タオルが落ちているとしたら駅のホームです。
そこまで戻るのは少し面倒な気がしました。
職場に着いてしまえば、タオルがなくて困る場面はおそらくない。
特別な思い入れがあるタオルでもない。
今日は少し急いでいるし…
一旦は、「いいや、タオルが1枚減っても困らない。もうずいぶん長く使って古くなっていたし」と思ってそのまま職場に向かおうとしました。
しかし ふと、ブランド物でもなく新しくもない誰も拾っていくことはないであろうそのタオルが、ホームのゴミ箱の中身を集める係員に回収されて、ゴミと一緒になって捨てられ、どこかの焼却炉で燃やされている...
そんな場面が頭に浮かんでしまったのです。
私が落としてしまったために、まだ十分使えるタオルなのにその役目を終えることになってしまう。
いつ、どうやって手に入れたのかーー買ったのか貰ったのかーーすら覚えていないタオル。
特に大切にしていたわけでも、丁寧に扱っていたわけでもないタオル。
だけど何年も、おそらく10年以上使ってきたタオル……
そんなふうに思ってしまったら、気になり始めてしまいます。
拾いに行かなかったことをバイト中に後悔して集中できなかったら嫌だし、今日は頼まれたから早く出勤するのであって多少到着が遅れたって遅刻ではないし。
私はホームまで戻ることに決めました。
駅から出て30mほど進んでいたでしょうか。
私はくるりと向きを変え、歩いてきた道を引き返しました。
小走りに駅の入り口の下りエスカレーターに乗ったところで、無意識に再びリュックの中に手を入れました。
すると、
「あ、 あった!」
リュックの中で、タオルに手が触れたのです。
タオルなんて、かばんの中で行方不明になるほど小さいものではありません。
それなのに、さっきはいくら探しても見つけられなかったのです。
そして見捨てかけて、思い直した途端に見つかったのです。
私は思いがけない展開に驚いてしまい、とっさに「このままじゃ下まで降りちゃう!このエスカレーター長いのに!」と、1mほど下ったところだったエスカレーターをピョンピョンと逆走して上りました。
改めて職場に向かって歩きながら、私は何だかタオルに試されたような気分になりました。
タオルが「私のことちゃんと大事にしてる?」とでも言っているかのようでした。
ただ単に、はじめからリュックをきちんと上から開けて探せば良かっただけの話で、横着した私が悪いのですが(笑)。
でも、タオルが私を試したにせよ、そうじゃないにせよ、なくさなくて良かった。
これからも大事に使い続けよう。
長い間、私の生活を手伝ってくれている物たちがたくさんある。
たまにはきちんと目を向けて感謝しなきゃいけないかな。
そう思った出来事でした。
この記事のタイトルは「長年使っていたタオルを落とした時のこと」ですが、本当は「落としたかと思った時のこと」が正しいですね(笑)。
落としてなくて良かった。
今回は、本当に何気ない日常のお話でした。
お読みくださって、ありがとうございました。